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最終更新: 2018年10月27日

ヘリテージマネージャーとは 兵庫県から全国へと広まっているヘリテージマネージャー制度。ひょうごヘリテージ機構初代代表世話人である沢田伸氏は、「阪神・淡路大震災の教訓から、1996 年に文化財保護法が改正され文化財の裾野を広げる登録文化財制度が創設されました。兵庫県ではその制度を支える人材が必要と考え、 2001 年度に教育委員会と建築士会が連携して『兵庫県ヘリテージマネージャー養成講習会』を開講しました。そのとき、ヘリテージマネージャーとは『地域に眠る歴史的文化遺産を発見し、保存し、活用し、まちづくりに活かす能力を持った人材』と定義されました。」と説明されています。

http://hyogoheritage.org/wp-content/uploads/what_is_hm.pdf

第16回ヘリテージマネージャー大会in淡路

2018年7月14日(土)南あわじ市福良で開催された第16回ヘリテージマネージャー大会に、シンポジウムのパネリストとして参加させていただきました。今回は、「(埋)漏れた日本遺産・ヘリマネ・地域おこし —ヘリテージマネージャーは地域おこしにどう向き合うのか−」をテーマに開催されました。 第11期ヘリテージマネージャー、一級建築士として、「下町レトロに首っ丈の会」という地域おこしに位置づけられる活動を展開してきた経緯、ヘリテージマネージャーの先輩方の価値観を通して、ヘリテージマネージャーが地域に関わる意義についてお話をさせていただきました。

ヘリテージマネージャー講習会や年報の発行

2017年度からは、建築士以外でもヘリテージマネージャー講習会を受講できるようになりました。とても深い学びを得ることができる講習会となっています。2019年度にも開催予定です。下記URLをご参照ください。

http://hyogoheritage.org/hmyouseikouza/

 また、ヘリテージマネージャーの一年間の活動内容を一冊にまとめた『ひょうごヘリテージ年報』が販売されています。ひょうごヘリテージ機構副代表世話人である津枝勝見氏がまとめられた「2-2-8 うめのや遊技場 -登録文化財調査⑧」の現地調査に参加させて頂き、実測や図面作成を通して、一つの建築物を登録文化財にする作業の重要性や大変さを学ぶ機会をいただきました。ご興味のある方は是非とも下記のURLをご参考にしてください。

http://hyogoheritage.org/heritagenenpo/

最終更新: 2018年8月18日

二世帯がプライバシーを確保しながら同居

 本計画では、集合住宅の一住戸に、80 代の母親、40 代の夫婦、子供2 名の計5 名の2世帯が同居する住宅を設計しました。 2 世帯がプライバシーを確保し同居する空間構成が必要とされたことから、40代夫婦の家族が昼と夜に移動することで、2 世帯がプライバシーを確保する空間構成としました。多世代の5 名からなる居住者が自身のライフコースに応じて住宅を住みこなすことが可能となる空間構成を目指しました。

 本計画の対象住戸は平成29 年度長期優良住宅化リフォーム推進事業に採択されたことから、省エネルギー及び維持管理性能といった住宅性能の向上に資する改修設計をおこないました。


省エネルギー性能の向上

 長期優良住宅化リフォーム推進事業の省エネルギー性能向上工事に該当する項目であり、一次エネルギー消費量の減少に資する設備更新として節水型トイレ・高断熱浴槽・高効率給湯器・外皮平均熱貫流率(UA 値)を減少させる内窓設置・外壁面に外皮平均熱貫流率(UA 値)を減少させる木毛セメント板の使用・室内の空気が外気に逃げやすい熱橋の断熱性能を向上させる高性能断熱材の導入をおこないました。これにより一次エネルギー消費量等級が3 から4 へ、断熱等性能等級が2 から3 へと向上しました。


維持管理・更新の性能向上

 長期優良住宅化リフォーム推進事業の維持管理・更新の性能向上工事に該当する項目であり、建築物の維持管理には、設備、特に配管の管理、及び、更新の容易性が求められることから、既存配管のうち、給水管、給湯管をさや管ヘッダー方式に更新し、PS の壁部分には、排水立て管と横引き管の接続部分用の点検口を設置しました。床下にヘッダーや横引き管の接続部分の点検口を設置しました。これにより維持管理対策等級が2 から3 へと向上しました。


最終更新: 2018年8月18日

除却できないストックを長寿命化するために

 本計画の対象住宅は、旧耐震基準により建設された住宅であり、現在国が既存ストックの質向上を支援している新耐震基準により建設された住宅ではありません。したがって、本計画の対象住宅のような旧耐震基準により建設された住宅は、現在の住宅施策における長期優良住宅化リフォーム推進事業による補助制度や住宅金融支援機構からの融資対象外となってしまいます。

 その場合、除却が選択肢として挙がりますが、4m未満の道路に接道する敷地にある住宅の場合、除却、新築すると、セットバックにより敷地面積が減少します。このような既存ストックの質を向上させる方法として、耐震補強、さらには、樹脂窓や複層ガラスの導入による断熱性能の向上やパッシブシステムやLED照明などの導入による一次エネルギー消費量の減少による省エネルギー化により長寿命化が有効です。

本計画は、旧耐震基準により建設され、かつ、除却が不可能な住宅における長寿命化を目的としました。


神戸市住宅耐震化促進事業による耐震改修

 改修工事前の耐震診断の結果は、ブロック造の基礎、土台と柱の蟻害、開口部が多いことによる壁量不足、という主な理由から、本来1.0であるべき上部構造評点は0.19でした。

そこで、1.0に向上させるために、既存の外壁の内部に柱を新設し、既存柱と新設柱をアンカーボルトで一体化する入れ子構造による耐震補強をおこないました。その結果、上部構造評点は、2.06へと向上しました。


狭小住宅における環境調整

 わが国の居住空間では、夏期においては、深い軒の出により日射を遮断する、縁側空間の窓や建具を開放する、といった方法で夏の暑さをしのぎ、冬期においては、障子建具を閉め切り、室内の暖かさを保持するなど、季節毎に建具を操作し、四季に対応する居住文化を育んできました。

 このように、これまでのわが国の居住空間における環境調整は、主として縁側空間の建具の操作を通じて実践されてきました。つまり、内部空間と外部空間の間に中間領域を設け、内部空間・中間領域・外部空間の間の境界の建具を操作するというものでした。

 しかし、このような空間構成が実現するためには、敷地内に庭空間が必要となります。そこで、本計画の対象住宅のような、中間領域や外部空間を獲得できない狭小住宅において、環境調整を実現する手法として、環境調整コア空間を開発し、導入しました。

 改修計画では、2層ある住宅の内部空間における、水平・垂直方向の中心となる位置に、3つの居室(1階の居室1と2階にある居室2と居室3)と階段室を連結するコア空間の境界部分に無双窓等の建具を設置して、居室間での通気や空調することのできる空間構成を提案しました。コア空間は、吹抜部分として、居室1 と一体の空間となっています。

 これにより、自然換気を用いつつ、最低限度の機械換気により生活することが可能となります。

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