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2017年度

神戸市住宅耐震化促進事業

「環境調整と耐震補強を実現した狭小住宅」

 現在の住宅施策にある既存ストックの質向上は、新耐震基準により建設された住宅を対象とする一方、本計画の対象住宅のような旧耐震基準により建設された住宅は、現在の住宅施策における長期優良住宅化リフォーム推進事業による補助制度や住宅金融支援機構からの融資対象外となっている。その場合、除却が選択肢として挙がる。

 しかし、4m未満の道路に接道する敷地にある住宅の場合、除却、新築すると、セットバックにより敷地面積が減少する。このような既存ストックの質を向上させる方法として、耐震補強は有効である。さらに、樹脂窓や複層ガラスの導入による断熱性能の向上やパッシブシステムやLED照明などの導入による一次エネルギー消費量の減少による省エネルギー化により長寿命化は可能である。本計画は、旧耐震基準により建設され、かつ、除却が不可能な住宅における長寿命化を目的としたものである。

 本計画は、昭和39年(1964年)竣工した神戸市中央区にある4m未満の道路に接道する敷地にある木造二階建住宅の改修計画である。この長屋は、建築面積が約20㎡、延床面積が約40㎡であり、前面道路の幅員も4m 未満である。旧耐震基準のもと設計された築52年の住宅であることから、劣化が激しく、耐震補強する必要があった。

 施主は単独世帯の30代男性であり、将来のライフコースとしては、将来家族を持つ可能性、1階部分を地域への「住み開き」空間として活用する可能性などを持つ。また、本物件と隣接する木造二階建住宅も所有することから、将来的には二戸一化を視野に入れた設計をおこなうこととなった。

 以上から、住宅と居住者という二つの視点から住宅の長寿命化に資すると思われる①空間構成、②DIY、③省エネルギー化、④維持管理、⑤材料、⑥耐震補強の6項目を設定し、改修設計を行った。耐震補強については、平成29年度神戸市住宅耐震化促進事業に採択され、上部構造評点は、0.19から2.06に向上した。