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2008年

「車いすでの生活を楽しむ家」

 本計画は、脚本家夫妻の新居であり、ご主人が使用される車いす、ベッド、浴室内の大型介護用リフトが収まる計画となっている。病院のような無機質なバリアフリー空間ではなく、車いすでの生活を楽しむことができるバリアフリー空間を目指した。その結果、寝室以外は一つの大空間とし、段差を解消した上で開き戸は引戸とした。便所は車椅子用に折戸を新設し、既存の開き戸は介護者用に再利用した。また、玄関靴箱下に車いすの収納空間を設置し、コンセント、スイッチの位置をUD対応に変更した。

夫妻は天然素材を好むことから、漆喰、タイル、塗装仕上げといった湿式工法を採用した。壁は、ビニールクロス上から施工できる漆喰を三層に塗り、木目調の塩ビ枠や建具は全て木材に取り替えた。鉄工所や骨董品店で入手した鉄製の取手を建具に使い、枠、廻り縁、建具は柿渋と塗の粉の混合液で着色した。床板は構造用合板に着色することで木目を強調し、車椅子に強い表面にするためにウレタンを2層塗り重ねた。

夫妻の職業柄、大量の本を収納する為、壁面を総本棚とし小梁の段差も本棚に利用した。作業室壁面に据え付けた本棚の一角に“小窓”を設置し、視線が台所と作業室をつなぐようにした。